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『地球46億年の歴史を学んだジュニアサイエンスカフェ』

証拠を集めて発見! スノーボールアース

 

2010年2月16日(火)

2月14日(日)には『第6回ジュニアサイエンスカフェin戸田』

開催しました。

ゲストスピーカーは、東邦大学理学部化学科地球科学研究室

山口耕生准教授です。

山口先生は、一昨年に開催した第2回サイエンスカフェにもお越し下さり、

深海の生き物についてお話をして下さいました。

昨年までは独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)で研究を

されていて、現在は東邦大学で未来の研究者を育てていらっしゃいます。

 

今回のサイエンスカフェの内容は、地球46億年の歴史を学び、その中で

山口先生のヒントから証拠を集め、地球の歴史の中で起こったことを

推理していくというものでした。

 

サイエンスカフェは、山口先生のクイズから始まりました。

「地球は今何歳?」

「最初の生命が生まれたのはいつ?」

というクイズが10問。

正解した人だけが生き残っていきます!

 

< 正解した人は立ったまま、間違えると着席します >

*画像はクリックで拡大できます

30

 

その後は、山口先生のお話を聞きながら、地球の46億年という

気が遠くなるような長い時間の歴史について、想像し考えてみました。

地球の46億年を、1年最後の1週間に例えた山口先生のお話は、

子どもにとっても、46億年なんて考えることのない大人にとっても、

時間のスケールが実感しやすいものでした。

人間が文明を築いた時間は、大晦日も残りわずかの最後の2秒程度。

ある星に生命が生まれて、人間ほどの文明を築ける生命にまで

進化するには40億年もの年月がかかるのです。

私たちはそういう宇宙の時間の流れの中にいるのですよね。

 

山口先生が、27億年前のシアノバクテリア(酸素を作ったそうです)

が石になったという、ストロマトライトを持ってきて下さいました。

みんなで触ったりにおいを嗅いだり!

時間の流れを感じられたのでしょうか?

 

< 27億年前のストロマトライト(一番手前の石) >

2730

 

地球の歴史を学んだ後は、山口先生から、参加した子どもたち、

お父さんお母さんへ課題が出されます。

山口先生は1枚の写真を見せて下さいました。

 

それはナミビアの断崖にうまる大きな白い石灰石の写真でした。

(掲載許可を頂いたら写真を掲載します)

 

ナミビアの断崖は細かい粒子の地層から成っています。

そこに小型乗用車ほどの重さもありそうな大きな白い石灰石

埋まっているのです。

課題は

『どうしてナミビアの断崖に大きな石灰石が埋まっているのか?』

その理由を説明するというものでした。

参加した皆さんは、色々な証拠からその理由を考えていきます。

 

白い石は石灰石。

周りの地層とは成立ちが違っているので、この断崖の中で白い石が

成長したわけではないようです。

細かい粒子は、陸地から離れた沖合で堆積します。

大きな石というのは陸地にあるものです。

大きな石が運ばれてきたのだとしたら一体どうやって?

子どもと大人は別々の班に分かれて、それぞれの班で仮説を立てます。

 

4年生の班では

「生えていた木に乗っかって沖まで運ばれて落ちたんじゃないかな?」

「火山が噴火して吹き飛ばされたんじゃないかな?」

という意見が出ていました。

 

< 各班を回って話し合いに加わる山口耕生先生 >

30_4

 

山口先生に聞いてみると

「木に乗っかって流されたとしたら、木も一緒に堆積しているはず

だよね? それに、この時代にはまだ陸上には植物は全く

なかったし、もちろん木もなかったんだよ。」

「火山が噴火したとしたら、白い石灰石のままではいられないよね?」

と仮説の矛盾点を指摘されました。

大丈夫かな?と心配していたのですが、4年生のこのチームは

「流されたのだけど、証拠の残らないものだったんだよね。」

と推理しました。

そして、この班で導き出した答えは「氷」でした。

 

どの班も、活発にディスカッションをして、与えられた証拠の中で

矛盾がないように仮説を立てることができました。

最後にそれぞれの班で発表をします。

今、手元には大人の班の写真しかないのですが、大人で5つ、子どもで

6つの班が発表しました。

 

< 大人の班の発表 >

30_2

 

発表の後、山口さんからは現在一番有力な説の説明がありました。

それは、石灰石は氷河によって運ばれてきたというものです。

今のナミビア辺りの地層は、その当時は赤道付近にあったことが

分かっています。

それなのにどうして氷河なのでしょうか?

研究者の間で、これらの証拠から導き出されたのが、かつて地球は

赤道付近まで凍った白い氷の球だったという『スノーボールアース』説です。

 

参加した皆さんは、研究者と同じように証拠を見ながら仮説を

立てたのです。

 

< 石灰石が氷の衣で浮く様子の再現 >

30_3

 

山口先生は

「状況を調べて、たくさんの仮説を立ててみて下さい。」

とおっしゃっていました。

そして、

「あきらめずに考え続けることが大切です。」

とも教えて下さいました。

今回のサイエンスカフェでは、参加した子どもたちは研究者の方たちと

同じように、論理的に推理して考えるという体験をしました。 

「考え続ける」という姿勢は、科学の道に進まなくても、きっと

社会の中で大きな力となりますよね。

 

地球46億年の歴史を壮大なスケールで学んだ今回のサイエンスカフェ。 

私たちスタッフにとっても有意義で楽しいサイエンスカフェとなりました。

 

写真家の酒井徹也さんから素敵な写真が届きましたら

またご紹介したいと思います。

 

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