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2010年5月

『小学校側も楽しみに待っている工学部発の科学の授業』

工学部生と小学校の先生、子どもたちも参加したゼミ

2010年5月30日(日

28日金曜日は、いつものように東京大学工学理解推進プロジェクト

というゼミの日でした。

今回ちょっと違っていたのはたくさんのゲストが参加したことです。

6月12日(土)戸田東小学校工学部から生まれた科学の実践授業

を行うため、この日のゼミでは3つのグループのテーマと内容の発表

行われました。

ゲストは、実施会場となる戸田東小学校の校長先生、理科の先生

そして小学生、中学生の子どもたちでした。

授業のテーマは、「流束」「固定振動数」「燃焼」の三つ。

これだけ聞くと

「難しそう~!」

と思うかもしれませんが、このゼミでそのまま終わるわけがありません。

なんたってサイエンスコミュニケーションを学ぶゼミですからね。

 

3つのグループがそれぞれのテーマを選んだ共通の理由は

「大学で工学を学んでみて、今回選んだこれらの理論が

身の回りのたくさんの現象やモノにつながっていると知って

驚いたから」というものでした。

「燃焼」のチームは、それ以外にも「燃やすのって楽しいから」

いうのもあったようですけどね!

このゼミの中で、鈴木真二先生は「子どもたちに伝えた科学を

必ず現実の生活に結びつけて下さい」とおっしゃっています。

どんな内容になったのかはまたご報告しますのでお楽しみに!

 

この日のゼミでは、戸田東小学校で理科を担当している若目田先生と

江川校長先生に企画した授業の内容を聞いてもらい、日ごろの

子どもたちの反応などを教えてもらいながら、それをまた内容に

反映させていくことも検討しました。

若目田先生からは

「クラスを3つに分ければ必ずそこにはリーダーがいますが

もしも3人1組などに分けてしまうと、リーダーが不在になり

話し合いもまとまらなくなるかもしれませんね。」

などの具体的なアドバイスも頂きました。

 

もちろん、ゲストの子どもたちにも役割があります。

「流れるってきいて何を想像する?」

というようにゼミ生は質問をしてみて、子どもたちの反応を確認します。

子どもたちの答えの中には「宅配便」というユニークなものも

ありましたよ。

 

< ゼミ生と子どもたち >

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さて、この日、ゼミに参加した次男(小5)のお布団に入った後の

できごと。

「ねぇ、今なら流れるもの、たくさん思いつくよ!」

と話しだしました。

実はゼミで聞かれた時には、答えられなかったそうなの

ですが、寝る前にまた思い出して考えていたようです。

彼の思いついた「流れるもの」とは

空気、音楽、丸い球、時間、波(海の)、電波、煙、砂

水蒸気、振動、マグマ

でした。

答えを押し付けられたのではないゼミ生からの問いかけは

こうやってゆっくりと子どもたちに影響を与えることもあるよう

です。

6月12日がますます楽しみです。

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『小学校の校長先生に聞いた科学(理科)と社会科の共通点』

新しい証拠が見つかると覚えることが変わってしまう

2010年5月28日(金

27日木曜日には、東京大学工学理解推進プロジェクトというゼミで

実践研究の会場となる戸田東小学校江川校長先生にお会い

してきました。

現在ゼミで議論されている内容をお話して、鈴木先生のゼミの方針が

「科学の授業は子どもたちが疑問を持つことを目標にしましょう」

だということをお伝えしました。

私たちのNPOの活動についての良き理解者である江川校長先生も、

「この目標はとても共感できますよね。」

と言って下さいました。

これで授業の目標についても、現場の先生にもお墨付きを

もらったわけです。

 

江川校長先生のお話はこうでした。

江川校長先生は社会科が専門で、特に歴史がご専門なのだそうです。

でも、歴史も、新たな証拠が見つかれば、今まで教えていたことが

簡単に変わってしまうのだとおっしゃっていました。

だから、子どもたちに学んでほしいのは、教えられることについても

「本当にそうなの?」と疑問にもつ姿勢なのだと。

疑問を持つということは興味関心が高まることにつながります。

それがとても大事だとおっしゃっていました。

現場教育もやはり「興味を持たせる」ということを重視して

いるのですよね。

 

江川先生は、子どもたちが様々なものについて関心を持って見ることが

できるように、朝会でのお話でも、身の周りのものから視野が広がって

いくような材料を見せて下さってます。

例えば、ワールドカップの開催地は南アフリカなので、前回の朝会では

南アフリカのことや日本の対戦相手国について、関連したことを紹介した

そうです。

例えば南アフリカについては、豊かな鉱山資源のことや、日本で簡単に

手に入るフルーツの缶詰についてのお話をされたとのことです。

 

< 南アフリカ産のフルーツの缶詰 >

*写真クリックで拡大できます

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スーパーで簡単に手に入る様々なものも、関心をもって眺めれば

日本は様々な国から食べ物を輸入していることや、遠い国から

食べ物を運んでいるということに気づくことでしょう。

「フードマイレージ」なんて言葉を暗記するよりも、ずっと実感が

あって役に立つ知識となりそうです。

 

この日は、江川先生のお話から、科学の授業のの目標社会科の

授業の目標の共通点を見つけた日となりました。

最後に江川先生は「でもテストではうまく答えるしかないの

ですけどね」と笑いながらおっしゃっていました。

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『科学の授業のゴールはどこでしょう?』

答えを学ばせるのがゴール? 疑問を持たせるのがゴール? 

2010年5月26日(水

毎週金曜日は東京大学工学理解推進プロジェクトというゼミ

に参加して、私たちのNPOの方針を軸とする視点から、科学教育を

研究しています。

これは東京大学工学教育推進機構の機構長でいらっしゃる

鈴木真二教授が立ち上げられたゼミです。

このゼミから新しい科学の授業が生まれているという話は前の記事でも

紹介させて頂きました。

 

さて、先週金曜日(5月21日)もそのゼミの日だったのですが、来週行われる

テーマと内容の発表を前に、CoREF(大学発教育支援コンソーシアム)

副機構長でいらっしゃる三宅なほみ教授、「小学生に科学の授業を

する際にはどんなことに気をつけたら良いのか」について、認知科学の

視点で話をして下さいました。

ゼミ生自身が授業を受ける子どもたちの立場になってみながら学んだ

この講義で議論になったことの一つは「科学の授業のゴールは

どこに設定したらいいだろう?」ということでした。

 

例えば「雲はどうしてできるの?」というテーマについて子どもたちと

一緒に考えてみるとします。

これを考える材料として「空気が冷やされると気体の水(H2O)

すべてが気体ではいられなくなって一部液体の水(H2O)になる」

という説明が外せないというのは、ゼミ生の一致した意見だったの

ですが、ここで鈴木先生からゼミ生に質問がありました。

「子どもたちから、「どうして空気が冷やされると液体の水になるの?」

と聞かれたらどう答えますか?」

これをきっかけに、ゼミでの議論のテーマは

「科学の授業のゴールはどこだろう?」

へと移っていきます。

ゼミ生は、それぞれ考えて意見をいいます。

鈴木先生のご意見は

「科学はそもそも仮説の上に成り立っているので、これだけが絶対に

正しいということはないし、まだまだ分からないこともたくさんあります。

ですから授業のゴールは、そのテーマに興味を持って、さらに終わった

時に何か一つでも疑問が持てる、ということにしてはどうでしょうか?」

というものでした。

三宅先生からも

「答えを教え込むような授業は、子どもたちはその時には分かったような

気になりますが、実際には後には何も残っていないというケースもあります。

逆に授業中は難しくて分からないと感じても、終わった後にたくさんの疑問が

わいてくる授業もあります。疑問を持つことをゴールにするのはいい

ですね。」

とアドバイスを頂きました。

 

国語や英語、数学や社会については、人間が考えたルールや筋道を

学習する教科で、何を学んだらいいかは分かりやすい気がします。

ところが科学(理科)はというと「今のところは正しい」と思われていることを

学習していくことになります。

そしてそれはいつ変わるともしれないものです。

科学の授業の1つの在り方として「疑問に思ったことをどうやって

検証していくのかを学び、検証した材料を矛盾なく説明するストーリーを

自分自身で考えてみる」という形があってもいいと感じています。

そして私たちのセンス・オブ・ワンダーで開催するジュニアサイエンス

カフェのいくつかはこういう形のものです。

これはOECDの調査で出題された科学の問題の傾向に似ています。

日本の成績が散々だった、あのテストです。

 

ゼミの最後で

「授業をかっこよくまとめて終わるのは簡単ですが「世の中には分から

ないことがまだまだある」ということを子どもたちに伝えて下さい。」

とおっしゃった鈴木先生の言葉が印象的でした。

 

毎回熱い議論が繰り広げられるこのゼミですが、次回はいよいよ授業の

テーマと内容の発表です。

戸田東小学校の江川校長先生もゲストでいらっしゃいます。

このゼミから、どんな素敵な授業が生まれるのか、私たちもとても楽しみに

しています。

 

< 終了後も議論が続くゼミの様子 >

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『戸田市サイエンスフェスティバル 内田麻理香さんをお招きします!』

麻理香さんに聞いた内田家の秘密!?

 

2010年5月18日(火)

昨日は東京大学本郷キャンパスで内田麻理香さんにお会いしました。

知的でかわいい麻理香さんに久しぶりにお会いして、私もとても

嬉しかったのですが、今回はお願いがあっての打ち合わせでした。

戸田市で開催されるサイエンスフェスティバルに今年も講師で来て

ほしいというお願いです。

麻理香さんはお忙しいにも関わらず、快く引き受けて下さり、本当に

いつも感謝です!

2010年戸田市サイエンスフェスティバルは7月29日に開催されます。

そしてもう一つ、別件でも12月に戸田東小学校に来て頂くことに

なりました。

こちらもありがとうございます!

 

久しぶりにお会いした麻理香さんとは科学教育のことなどを話して

いたのですが、そこで聞いた内田家の秘密は・・・

 

麻理香さんは2人の男の子のお母さんでもあります。

麻理香さんの話によると、家で子どもさんが名探偵コナンを見ながら

「ねぇ、論文って何のこと?」

って聞いたのだそうです。

それに対するダンナさま(研究者です)の答えというのが

「実験して作文することだよ!」

だったのだとか。

なるほど~と思っていた私たちとは裏腹に

「もぉ、い加減な答えでしょ~?」

とちょっと不服そうな麻理香さん。

「ところで子どもさんはそれで分かったんですかね?」

と聞いてみると

「その後、実験してせっせと作文してました。学習帳に。」

だそうです。

う~ん、それって小学生に分かる言葉で、的確に論文について

説明していると思いますよ~麻理香さん!

おまけによくよく聞いてみると「論文」を書いた息子さんは

当時小学1年生だったそうで・・・

こうやって、内田家では未来の研究者が育てられているのですねぇ!

 

< 内田家の小さな科学者の論文 >

*麻理香さんが送って下さいました! かわいいので載せちゃいます

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こんなエピソードもサイエンスフェスティバルで聞けたら楽しそうです。

(時間がなさそうですが・・・)

夏休みが楽しみです!

 

< 東京大学本郷キャンパス 赤門付近 >

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『ゼミ始動! 東京大学工学部のゼミから生まれる科学の授業』

「科学の本質を伝える」とは?

 

2010年5月18日(火)

昨年度、私たちのNPOでは、東京大学工学部のゼミ「工学理解

推進プロジェクト」のお手伝いをさせて頂き(というか、メンバーの

一人はこのゼミの非常勤講師でもありまして・・・)、工学部の学生

さんたち、そしてCoREF(大学発教育支援コンソーシアム)

方たちと一緒に「科学の本質を小学生に伝える」ということを

実践研究しています。

指導教官は、私が大ファンの鈴木真二教授、そして教育学的視点で

指導して下さっているのは、私の2年連続のUCバークレー(カリフォルニア

大学バークレー校)訪問のきっかけを作って下さった三宅なほみ教授

です。

科学的な基礎知識の乏しい小学生に、科学の本質を伝えるという

ことはとても難しいことですが、昨年度の冬学期も、熱い学生さんたちと

ともに有意義なゼミになりました。

研究の経緯と結果については、学会発表を予定しています。

  

そして今年もまたこのゼミが始まりました。

昨年度の受講生が5名も戻ってきてくれて、さらに熱い新メンバーを

加えて、今回もまた熱いゼミになりそうです。

「科学の本質とは何か?」「小学生にどう伝えればいいのか?」

ディスカッションは絶えません。

 

< ゼミ終了後もディスカッションする学生 >

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第1回の実践授業は、今回もまた戸田東小学校で行われます。

どんな授業になるのか楽しみです!

 

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『研究室をのぞいてみよう! 東京大学本郷キャンパス五月祭』

科学にあふれる場所

 

2010年5月17日(月)

2010年5月29日(土)、30日(日)東京大学本郷キャンパス

第83回五月祭が開催されます。

私たちのNPOでは工学部のゼミをお手伝いしていることもあって

会員様限定で五月祭ツアーを開催することになりました。

私たちも毎週ゼミで通っている本郷キャンパスは、芝生の上で

建築関係の研究者が何やら組み立てていたり、学生同士が研究について

ディスカッションしていたりと、自由な中に科学があふれています。

五月祭では、毎年たくさんの研究室が公開されているのですが

「親子で楽しむにはどこに行けばいいのか分からない」という声も

多いため「それなら私たちが親子の視点でご案内しますよ」というのが

今回の企画です。

昨年五月祭に出かけた子どもたちは、チタンの携帯ストラップを作ったり、

模擬店でアイスクリームのてんぷらを食べたりと、とても楽しめた

ようです!

今回のツアーでは、工学部7号館でライトフライヤー号のフライトシミュレーター

体験をしたり、研究生とお話したり、もしかすると鈴木真二先生もいらっしゃる

かもしれません。

 

会員様限定ですがセンス・オブ・ワンダーの活動に興味を持って

下さり「東大にも行ってみたい!」という方は歓迎致します。

下記のアドレスへご連絡下さい。

*下記の企画は、定員に達しましたため本日5月19日19時をもちまして、

 会員様以外のお申込みを締め切らせて頂きました。

 会員の皆様は多少の枠がございますのでご希望の方はお急ぎ

 お申込み下さい。 

企画名:「工学部の研究室をのぞいてみよう!」 

日時:5月29日(土)10時~11時30分

集合:5月29日(土)10時 地下鉄南北線 東大前駅 改札前

内容:ライトフライヤー号のフライトシミュレーター体験や

    研究生による展示の解説 交流会&質問会など

参加費:無料

申込締切:5月24日(月)19時到着分まで

申込方法:メールにて下記の内容を sense_of_wonder2008@nifmail.jp

へお送り下さい。

タイトル「五月祭ツアー申し込み」

①代表者お名前

②連絡用メールアドレス

③電話番号(待ち合わせで使う可能性がありますので携帯番号を

  ご連絡下さい)

④人数 大人(   )名 高校生(    )名 中学生(   )名

     小学生(   )名  未就学児(   )名
 
皆様にお会いできるのを楽しみにしています!

*第83回東京大学五月祭公式サイト

http://www.a103.net/may/83/visitor/access.php

 

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