« 『中学生理科 電気の特別講座の準備はこんな様子』 | トップページ | 『朝からアメリカのバークレー(カリフォルニア州)とスカイプミーティング!』 »

『中学生理科 概念から学ぶ電気の特別講座を開催しました』

目に見えない「電気」を学ぼう!

 

2011年5月15日(月)

 

NPO法人センス・オブ・ワンダーでは、科学教育を研究しています。

人が学ぶ目標は「使える知識を身につけること」なのですが

その「使える知識」とは、認知心理学では「重要な概念を中心に

して、情報を体系立てて形づくられた知識」と定義されます。

科学について言うなら、これを身に付けた人たちの中に、研究者

と呼ばれる人たちが入るでしょう。

私たちのNPOが、研究者と子どもたちとを直接会わせたいと考え

サイエンスカフェを開催してきたのは科学の使える知識」を身に付けた

人たちから直接、「使える知識」どんなものなのかを感じ取って

もらいたいと思ったからでした。

 

5月14日(土)には、「電気の特別講座」を試験的に開催しました。 

講師は東京大学大学院工学系研究科の二人(博士課程2年生の

日野さん、修士課程1年生の佐藤さん)です。

電気はというと・・・私は大嫌だったんです!

概念がつかめなくて、表面的な情報の暗記で高校受験を乗り切った

苦い思い出があります・・・

その結果、体系立っていない私の電気の知識は、今となってはほとんど

役に立ちません。

高校受験はうまく乗り切れたにも関わらずです。

 

今回の「電気の特別講座」はこんな質問から始まりました。 

「家の中のコンセントはどのようにつながっているでしょう?」

 

< 黒板にかかれた質問 >

50s

 

 

参加したのは学校で電気を習い始めたばかりの中学2年生です。

「え~? どうなっているんだろう?」

とにかく線でつないでみます。

回答は大きくわけて2種類になりました。

 

< 中学生の回答 >

11051450

 

出てきた回答は直列並列でした。

「さて、どちらが正解でしょう?」

この答えと、その理由を知るためにこの講座は進んで行きます。

家の中にも大きな回路があるんですよね。

 

「電流って何でしょう?」

目に見えない電気の概念について、分かりやすく図を書きながら

説明してくれます。

講師の二人がどのようにして「使える知識」を身につけてきたのかが

分かりますよね。

そして子どもたちもそれが一番知りたいことでしょう。

 

電流はよく水路を流れる水の量に例えられます。

一本道(直列)なら量は変わりませんが、枝分かれ(並列)すると

その量は減り、合流するともとの量に戻ります。

 

< みんなで回路を作ります >

11051450s

 

家の中が直列でつながっていたら・・・

実験してみよう!

11051450_3

 

「あれれ? 片方がとても暗いよ・・・」 

では並列につないでみると

11051450_2

 

「こっちは2つとも明るいね!」

 

ここで電圧を計ってみました。

「電圧ってなんでしょう?」

電圧は水路でいうと、水の落差に例えられます。

電池はその落差を生み出すもので、ポンプに例えられます。 

水路が分かれても、分かれた水路は合流する時には同じ落差に

なっています。

そうでなくてはつじつまがあいませんよね。

電流と電圧については、概念を学んだ後、回路に具体的な数字を

入れてみんなで計算をしてみました。

< 電圧を計ります >

11051450ss

 

 

学校では計り方だけしか教わらない電流計、電圧計

その仕組みを学ぶことで、どこにつながなくてはいけないかを

自分で考えることができます。 

この後も、思い思いに回路をつないでみたり、質問をしたりして

いました。

 

さて、最初に質問に戻ります。

「家の中のコンセントはどのようにつながっているでしょう?」

の質問に

「並列につながってる!」

と答えが出ました。

「もし直列だったら、それぞれの電化製品にかかる電圧が少なくなる

だけでなく、使ってないコンセントは回路としてつながらないよね。」

「全てのコンセントに何かをつながないといけなくなるよ!」

と、節電からは程遠い話になりました。

 

このように、日常のストーリーの中で学んだ知識は忘れにくいのだ

そうです。 

じっくりと電流電圧概念の説明を聞いたこの講座でしたが、きっと

この重要な概念を中心に、子どもたちは電気の知識を形作っていく

ことでしょう。

そうすれば、私のように丸暗記して、使えない知識だけが残ることもない

はずです。

センス・オブ・ワンダーでは、今後も科学の概念を学べる講座を

開催していきたいと考えています。 

 

|

« 『中学生理科 電気の特別講座の準備はこんな様子』 | トップページ | 『朝からアメリカのバークレー(カリフォルニア州)とスカイプミーティング!』 »

教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1098755/40015512

この記事へのトラックバック一覧です: 『中学生理科 概念から学ぶ電気の特別講座を開催しました』:

« 『中学生理科 電気の特別講座の準備はこんな様子』 | トップページ | 『朝からアメリカのバークレー(カリフォルニア州)とスカイプミーティング!』 »