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2011年10月

『今期も始まりました! 東大工学部が科学の授業をデザインします』

2011年冬学期 東京大学工学理解促進プロジェクト(工学系ゼミ)

 

2011年10月31日(月) 

今学期も10月21日(金)から工学理解促進プロジェクト(工学系ゼミ)

始まりました。

このゼミは航空宇宙工学専攻教授でいらっしゃる鈴木真二先生

監修されています。

ゼミの目的は、小学生向けの科学の授業をデザインする過程を通して

科学の本質をもう一度見直し、コミュニケーション能力の向上を図る

いうものです。

NPO法人センス・オブ・ワンダーでは、このゼミを支援すると共に科学教育を

研究しています。

 

さて、先週の28日(金)は、授業をデザインし始める前の基礎知識として

「学ぶとはどういうことなのか」ということについて『How People Learn』

読み合わせを行いました。

アメリカ出張のために先んじて読んでいた私がガイド役になり、皆さんが効率よく

この本を読めるようにお手伝いさせて頂きました。

理解力の高い東大生の皆さんですから、あっという間に学びに関する共通の

言葉を獲得して語り合っていました。

「この場合子どもたちは・・・・っていう誤概念を持っていいそうだよね。」

という具合に。

 

読み合わせの後は、テーマを絞ってグループ決めです。 

先々週の時点では、テーマがたくさん出過ぎて絞りきれず、テーマ決めと

グループ決めは持ち越しとなっていました。

 

< 21日時点で出たテーマ >

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あれこれみんなが案を出す中、修士1年生の外崎くん(一緒にアメリカに

行ったメンバーの一人)がうまく板書してくれました。

 

< 28日に決まったテーマとグループ分け >

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テーマは以下の3つにまとまりそうです。

 

・課題解決型の授業でバルーンカーのようなもの

 *バルーンカーというのはジョージア工科大学LBDプロジェクトで

  デザインされた科学の授業です

  LBD(Geogia Institute of Technology)

  http://www.cc.gatech.edu/projects/lbd/home.html

 

 でも彼らが出来上がったものをそのまま採用するはずもなく・・・

 「車じゃなくて船でやってみようぜ!」

 「最初に船を沈めてしまっておいて・・・」

 う~ん、一体どんな授業になるのでしょうね。

 

・食物/生物

 毎回話題にはあがるけれども、工学部中心のこのゼミでは、皆さん

 専門外のためかなかなかテーマに取り上げる勇気の出ない生物系です。

 今期は「やってみよう!」という声が強くなり、1つの授業をデザインして

 みることになりました。

 とはいえ

 「血はどうして固まるのか不思議だよね~!」

 とか

 「美味しいってどういうことなのか科学したいよね。」

 (聞いていた他グループから↓)

 「あ~鍋くいて~!」 あれ?

 という感じで、どこに行きつくのかはまだ不明です。

 

・慣性力

 「慣性力って身近な物理でしかも不思議だよね!」

 と始まったこのテーマ。

 今期は理学部物理学科から受講生も加わったので「慣性力」から

 「相対性理論」まで、小学生が分かる授業をどのようにデザインして

 いくのか楽しみです。

 

新メンバー3名が加わりさらに、今期も益々パワーアップの様子です。

相変わらず、ああでもない、こうでもないと、ゼミ終了後もディスカッションは

続いていました。

 

< ゼミ終了後の様子 >

11102850_2

 

今期の第1回目の実践授業は12月3日(土)埼玉県戸田市立

戸田第二小学校で行う予定です。

どんな授業がデザインされるのかお楽しみに!

 

 

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『東京大学航空工学教室2011 開催しました』

研究者が子どもたちに伝える科学

 

2011年10月12日(水) 

10月9日(日)には、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学

専攻主催『東京大学航空工学教室2011』が開催され、NPOも

事前準備と運営支援を行いました。

開催場所は所沢航空発祥記念館です。

私たちの方からはNPOの会員さん向けにしかご案内ができませんでしたが

今回も満員となり賑やかな教室となりました。

 

毎年開催されている『東京大学航空工学教室』ですが、この数年は

本郷キャンパスではなく、東京近郊での開催となっています。

本郷キャンパスで開催できれば、大学での研究の雰囲気が子どもたちにも

伝わって良いのですが、色々と事情もあって実現が難しいのが残念です。

 

この講座では、単にゴム動力飛行機を製作して飛ばすのではなく、

大学主催らしく、まずは「飛行機はなぜ飛ぶのでしょう?」という

講義から始まります。

 

< 鈴木真二教授による講義と実験 >

11100950

 

 

普段は子どもたちが気にとめることのない「空気」について、様々な

実験をすることで、空気の性質を知り、この目に見えない空気が

飛行機を上に持ち上げる力(揚力:ようりょく)と関係していることを学びます。 

さらに、2005年にアルゼンチンで開催されたフリーフライト模型飛行機

世界選手権チャンピオン金川茂さんが製作された「風洞実験装置」

使って、風の強さと揚力の関係翼の形と揚力の関係も見ることができました。

この後記念館の見学をして、午前中は終了となりました。

 

午後はいよいよゴム動力飛行機製作です。

 

< ゴム動力飛行機製作の様子 >

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航空宇宙工学専攻の学生さんと、それ以外の学生さんたちとで製作の

指導に当たります。

学生さんたちは、全員が事前に製作指導のための講習を受けています。

子どもたちが

「どっち向きにつけるの?」

と悩んでいても、学生さんたちはすぐに答えを教えるのではなく

「どうつけたらうまくいくと思う?」

と問いかけながら指導する姿が印象的でした。

子どもたちも、午前中に学んだことを思い出しながら、飛行機の重心位置を

決めたりしながら慎重に組み立てていきます。

 

製作の後は、いよいよ機体の調整です。

飛行機が頭から落ちるようだったらどのようにするのか、反対に頭が

持ちあがってしまうときにはどうするのか、また左右に傾いてしまうときには

どうするのか、先生や学生さんたちの説明を聞きながら調整していきました。

 

完成した飛行機は、記念館の前の芝生広場で飛ばして滞空時間を競います。

優勝した飛行機は、18秒以上も大空を飛んでいました。

秋の空に舞い飛ぶ飛行機の姿は、とても優雅なものでした。

 

< 大会の最後には全員で飛ばしました >

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手を動かしてものを作ることはとても大切です。

でもそれに合わせて理論や仕組みを学べば、さらに知識を応用することが

できます。

理論や仕組みのプロであり、それを使って仕事をしている第一線の研究者が

子どもたちに関わって下さることは、子どもたちにとっても貴重な体験に

なることでしょう。

私たちセンス・オブ・ワンダーでは、研究者と子どもたちとが直接出会える

機会を作り、その成果を研究していきたいと考えています。

 

12月には埼玉県戸田市立芦原小学校を会場として、東京大学大学院

工学系研究科航空宇宙工学専攻主催で『折り紙ヒコーキ教室』

開催する予定です。

お楽しみに!

 

○東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻のWEBサイト

http://www.aerospace.t.u-tokyo.ac.jp/

 

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『科学教育についての勉強会を開催しました』

『How People Learn 認知心理学のさらなる挑戦』 

 

2011年9月9日(土) 

NPO法人センス・オブ・ワンダーでは科学教育を研究して

いるのですが、その研究対象の一つとして、カリフォルニア大学

バークレー校で開発されている『WISE』という科学教育プログラム

あります。

10月には、この『WISE』を開発しているMarcia Linn教授とその

チームの皆さんにお会いして、カリキュラムデザインの方法

テクニカルの部分(WISEはプラットフォームがオープンソースです)

を聞いてくる予定です。

 

渡米の前に「学びとは何か」「人はどのようにして学ぶのか」について

認知心理学なことも勉強しておく必要があったため、事前の勉強会を開催

しました。

テキストは『How People Learn』という本で、米国学術研究推進会議

編集したもの。

これは「学びとは何か」について認知心理学的な基礎研究教育現場での

実践との橋渡しをしている珍しい本で、私たちにとっても大変参考に

なるものでした。

How People Learn: Brain, Mind, Experience, and School Book How People Learn: Brain, Mind, Experience, and School

著者:National Research Council (U. S.) Committee on Learning Research and Educational Practice
販売元:Natl Academy Pr
Amazon.co.jpで詳細を確認する

授業を変える―認知心理学のさらなる挑戦 Book 授業を変える―認知心理学のさらなる挑戦

著者:米国学術研究推進会議
販売元:北大路書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  

一緒にアメリカに行くのは、東京大学大学院工学系研究科のメンバーなのですが

勉強会終了後には

「こういう誤概念があるから・・・」

「知識を構成するには・・・」

「転移(transfer)しやすいカリキュラムにするには・・・」

というように、教育について議論する上で、ある程度共通の認識を

持ち、お互いに共通の言葉を使えるようになりました。

 

現地でどんな議論が繰り広げられるのか、どんな成果を持って帰れるのか

とても楽しみです。

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