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『自由研究もばっちり! 回るはねの実験講座を開催しました』

戸田市サイエンスフェスティバル2012

 

2012年7月28日(土) 

NPO法人センス・オブ・ワンダーは今年も『戸田市サイエンスフェスティバル』

(7月27日開催、会場は戸田市立芦原小学校)に協力しました。

立ち上げ時からお手伝いしていた企画運営面については戸田市教育委員会に

お任せして、今年はセンス・オブ・ワンダーとしての講座の開催と、

学理解促進プロジェクト(工学系ゼミ)の方でも講座を開催するという

形の協力でした。

 

NPOでは『回るはねが生み出す力の実験』という講座を行いました。

実験のアドバイザーとして東京大学の工学理解促進プロジェクトの

メンバーでもある工学部の学生さん二人がお手伝いしてくれました。

この講座で私たちが子どもたちに一番伝えたかったことは「不思議に

思ったことをどうやって調べたらいいのか」ということでした。

周りのお父さん、お母さんたちの声を聞いてみても、「子どもの疑問を

どうやって自由研究につなげたらいいのか分からない」という意見が

多いからです。

 

『回る羽根が生み出す力の実験』

講座の会場となった芦原小学校の理科室は、2面がガラス張りで

明るく開放的です。

まずは子どもたちに質問をします。

「この教室を見渡してみて、何か不思議にもうことはありますか?」

天井を見上げた一人の子どもからは

「照明が一つしかついてない!」

という声があがりました。

「この教室は2面がガラスで明るいことと、テーブルや床が白色な

ことが関係しているのかもしれないね」

こんなやりとりで講座は始まりました。

私たちのNPOは、周りで起こる現象への小さな気付きが科学への

第一歩だと考えているので、子どのたちに「気付くことって大切なんだよ!」

というメッセージを最初に送ります。

こどもたちに”the sense of wonder”を持ち続けてほしいと思っています。

 

今回は私たちの方からテーマを出します(講座ですからね!)

「涼しい扇風機ってどんなのか考えてみよう!」

というのがこの講座のテーマでした。

室内は29度にもなっていたので、

「より涼しい扇風機があったら嬉しいよね?」

の質問にも大きくうなずく子どもたち。

今回は「はね」に注目して「涼しいはね」について考えてみます。

 

・涼しいはねとはどんなもの?

子どもたちからは

①はねの枚数の枚数が多いもの

②はねの大きさが大きいもの

③はねが早く回るもの

などの意見がでました。

 

・涼しさはどうやってはかる?

さて、次に解決しなくてはいけない問題があります。

「涼しいってどういうことでしょう?」

「どうやってはかったらいいのでしょう?」

これは大人にとっても難しい問題です。

子どもたちからは

「扇風機の前に温度計をおいてみたらどうだろう?」

という意見が出たので、早速実験してみますが、温度計は29度を指した

ままです。

工学部の学生さんから「室温と同じ温度の空気が動くだけなので温度計の

値は変わらないのかもしれませんね」という説明がありました。

ここで、私たちが考えた「涼しさをはかる方法」を子どもたちに説明します。

私たちは「涼しいとは、どのくらい熱をうばうか」と言えるかもしれないと

考えたので、「ある一定の量と温度のお湯について、温度を何度

下げることができるか」で涼しさをはかることにしました。

 

・2枚のはねと8枚のはねの実験

いよいよ実験です。

「2枚と8枚のはねを準備しました!」

と言ってはねを見せると

「それ、違うよ!」

と子どもたち。

 

< 子どもたちに「違うよ!」と言われたはね >

_

__2

 

形と大きさが揃ったものを選んで、やっと実験するはねが

決まりました。

実験では比べること以外は揃えなくてはいけませんよね。

(実際にはこのはねに一定の角度をつけて実験しました)

 

< 子どもたちから「いいよ!」と言われたはね >

_28

 

実験では、2分間でどのくらいお湯の温度が下がるのかをはかりました。

 

< 2枚のはねと8枚のはねを比べる実験 >

120727_s

 

この実験では多くの子どもたちが予想通りに「8枚のはねの方が

温度が下がった」という結果になりました。

 

・小さいはねと大きいはねの実験

さきほどの8枚のはねは直径6センチ(小さい)のものでした。

次に同じ8枚のはねで直径が18センチ(大きい)のもので実験してみます。

 

< 大きいはねの実験 >

120727s_2

 

多くの子どもたちが「大きいはねの方がたくさん温度を下げる」

予想したにも関わらず、結果は小さいはねの勝ち!

子どもたちの理由を聞いてみると

「大きいはねの方は重たそうでゆっくり回っていた」

という観察結果を発表してくれました。

そうなんです、この実験では変わってはいけないはずの「回転数」

変わってしまったので、はねの大きさそのものの違いははかれ

なかったのです。

その他も

「もっと大きなものを冷やすなら大きなはねの方がいい結果が

出るかもしれない」

という意見も出て、子どもたちの観察力と発想力に驚かされます。

小さな科学者たちですね!

 

・実験はうまくいかないことも大切なデータ

実験の途中でははねがうまく回らなくなったりして、工学部の学生さんが

調整してくれました。

 

< 実験器具を調整します >

120727s

 

また、実験の考察では工学部の学生さんが

「予想と違うことも大切なデータです」

と話してくれました。

 

< 実験データの解説をする学生さんたち >

1207271s

 

「実験自体がうまくいかなかったとしても、そこからまた考えて

新しい実験をするということは大学でも当たり前にやっている

ことですよ」

という話は、実験での失敗を嫌う多くの子どもたちにとっては新鮮に

聞こえたのではないでしょうか。

 

今回の講座では「予想以外の結果が出た時は、大発見のチャンスなんです」

とおっしゃる東京大学の鈴木真二教授(航空宇宙工学専攻)の言葉を

子どもたちに伝える結果となりました。 

がんばれ、未来の科学者たち!

 

全体的には実験ショーの様に華やかではない講座だったのかもしれませんが

子どもたちやお父さん、お母さんに、少しでも「不思議に思ったことをどうやって

調べたらいいのか」を伝えられていれば、私たちの目的は果たされたと

いえます。

サイエンスフェスティバルを準備、運営して下さった田嶋先生、ぎりぎり

まで準備を手伝い当日も走り回ってくれたNPOの関係者と学生のみなさん、

そして講座に参加して下さったみなさん、ありがとうございました。

 

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