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2017年10月

『宇宙への夢を考える、親子向けサイエンスカフェを開催!』

最先端にいる研究者と共に考える火星旅行

 

2017年10月16日(月) 

私たちNPO法人センス・オブ・ワンダーは、10月14日(土)

さいたま市立高砂小学校の理科室をお借りして、第13回ジュニア

サイエンスカフェを開催しました。

ゲストスピーカーには、内閣府宇宙開発戦略推進事務局技術参与、

宇宙航空研究開発機構(JAXA)客員三輪田真さんをお迎えしました。

小学3年生~6年生の親子47名が参加して下さり、会場の理科室は

超満員となりました。

今回のジュニアサイエンスカフェのタイトルは「宇宙への夢-宇宙開発の

今と未来-」でした。

三輪田さんの楽しい宇宙のお話でサイエンスカフェは始まりました。

 

<三輪田さんのお話>

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三輪田さんは、その昔、月面に人類が降り立ったことがいかに

衝撃的なニュースだったのか、そしてそのことが宇宙について勉強したり、

宇宙に関わる仕事を目指すきっかけになったのだと話して下さいました。

今では当たり前のようにロケットが打ちあがり、国際宇宙ステーション

には人が常駐しています。

今の子どもたちにとっての宇宙は、眺めるだけのものではないのです。

話題は一番近い天体であるへ、そして移住の可能性もあると言われる

火星へ。

火星から実際に送られてきた映像を基にした動画を見て、火星と

地球の違い、火星と地球の似ている点などを確認します。

 

楽しいお話の後はグループワークです。

4人ずつのグループで、「火星に30か月旅行をするとしたら何を持って

いかなくてはいけないか?」ということを考えます。

この30ヶ月の内訳は、行きに9ヶ月、火星で地球にうまく帰れるタイミング

を見計らう期間が12ヶ月、そして帰ってくるのに9ヶ月です。

とてつもなく長い旅です。

工学理解促進プロジェクト(東大工学系ゼミ)の卒業生を中心に、9名の

お兄さんお姉さんが議論をひっぱってくれます。

 

<グループで持っていかなくてはいけないものを考えます>

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「水、食べ物、服、空気、ゲーム機、テレビ、自転車、わな!?・・・」

などなど、たくさんのものが出てきます。

ところが、火星までものを運ぶ輸送費は1キログラム600万円ほど

考えられていて・・・

ゼミの卒業生たちが様々なものの重さを事前に計算してくれたので

それを基に、家族4人で30ヶ月で必要な重さ(キログラム)×600万円

してみるととんでもないことに!

あるグループでは、97トンで5820億円!!

 

グループワークで次に検討することは、それが本当に必要なものかどうか

何か代用できるものはないか減らしたり作ったりできないか、などでした。

子どもたちは、

「本はスマホ持っていけばいいよね、ゲームもできるしね!」

なんて話しています。

「自転車で筋トレをしながら発電もする!」

なんてアイデアも出ていました。

 

最後はグループ毎に何を減らすのか、どのようにして減らすのか

発表してもらいました。

 

<発表の様子>

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実は、こうやって考えて発表してもらっていることこそが、現在火星へ旅行を

する上での課題そのものなのです。

具体的に自分たちの持ち物を考え、コスト削減の方法を考えることで、

火星旅行の大変さを実感すると共に、身近にも感じられたようです。

休憩時間には保護者の方からもたくさんの質問が出ていました。

 

<保護者の方の質問に答える三輪田さん>

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今回のサイエンスカフェは、もうすぐ手の届きそうな宇宙について、

三輪田さんからのアドバイスを基に具体的に考えるものとなりました。

この中から将来宇宙開発に関わる子どもが出てくるかもしれません。

とても楽しみです。

 

そして今回もまた、工学理解促進プロジェクト(東大工学系ゼミ)OBが

データの算出やグループワークの構成などたくさん手伝ってくれました。

まとめのお話を聴く際には、子どもたちの邪魔にならないように、前に

座ってくれていて、しかも子どもたちと同じように楽しそうに聴いていて、

さすがだなと感心しました。

 

<前に座っているゼミOBたち>

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素晴らしゲストスピーカー、素晴らしいサポーター、参加してくれた子ども

たち、お父さんお母さん方、会場を貸してくださった高砂小学校の

先生方のおかげで今回も素晴らしいサイエンスカフェになりました。

ありがとうございました。

また会いましょう!

 

NPOの活動の興味がある方はこちらまでお問合せください↓

E-mail  npo.sense.of.wonder@gmail.com

*”@”を半角に替えてお送りください

 

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『大人のサイエンスカフェ in 東大本郷キャンパス開催! テーマはAI』

研究者に訊くAIの今と未来

 

2017年10月15日(日) 

10月1日(日)に、NPO法人センス・オブ・ワンダー主催で大人向けの

サイエンスカフェを開催しました。

テーマはずばり「AI」です。

親子向けのイベントを企画することが多い私たちとしては珍しい企画

でしたが大変盛り上がりました。

会場は東京大学本郷キャンパス工学部2号館で、ゲストスピーカーには

東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授

山崎俊彦先生をお迎えしました。

今回は大人がが対象でしたので、ちょっとしたお菓子とお茶を用意して

みました。(親子参加の時はたいてい理科室なので飲食できません・・・)

 

<受付けでお茶を渡します>

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<少人数でアットホームな雰囲気の会場>

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サイエンスカフェは山崎先生の興味深いお楽しいお話から始まりました。

多くの人が持っているAIのイメージは「将棋で人間と対戦する」ような

図で、「コンピューターに人間が負けるなんて!」と不快に思ったり

恐れたりという気持ちもありますよね。

山崎先生は、AIの得意なこと不得意なことを分かりやすく紹介して

下さいました。

AIが得意なこととしては、

「大量の経験に基づくもの」
 
「人間には気づけないルールがあるもの」
 
「大量の経験を新たに作れるもの」

が挙げられ、逆に不得意なこととしては

「創造性・独創性が求められるもの」
 
「理由説明が求められるもの」

が挙げられました。

またAIは「できないことをできないと言えない」という興味深い

お話もありました。

印象に残ったAIの利用例としては、プレゼンの分析がありました。

AIは評価基準を決めてしまえば分析はお手の物ですから、スティーブ・

ジョブズとビル・ゲイツのプレゼンの違いをを要素ごとに点数付けして

見せることもできます。

その結果は、人間が実際に受ける印象とほとんど差がないのだそう

ですから驚きます。


 

AIの特徴を聴いたところで、グループワークに入ります。

KJ法の変形版で、AIの得意なこと、不得意なことを色の違う付箋紙

に書き出していきます。

次に、その付箋の中から得意なことのいくつかに注目して、将来AIに
 
やってもらいたいこと、使ってみたい方法
などを考えます。

 

<グループワークの様子>

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最後はグループ毎に発表して、お互いの意見を共有することが

できました。

 

<グループ毎の発表>

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傾向としては、介護や育児などの中でも、感情を感じたい場面では

AIではなく人間が関わってほしいという意見が多く聞かれました。

ですが山崎先生によると、感情も分析できるのだからAIがうまく

こなせるようになる可能性は十分あるのだとか。

未来には、私たちが想像もしない形でAIと共存する社会が広がって

いるのでしょうね。

  

終了後、参加者の方の感想では、「AIについてもやもやしていた疑問が

 

解消されました」という感想が聞かれました。

「もっと知りたくなりました!」という感想も多数ありました。

少人数で直接研究者に質問ができたことが良かったのでしょう。

これこそサイエンスカフェです!

 
 

終了後は希望者で研究室を見学させて頂きました。

ここでもまたたくさんの質問が出て、日曜日で暗い廊下だったにも

関わらず、先生も最後まで丁寧に答えて下さいました。

 

<廊下でもまた質問がたくさん!>

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親子サイエンスカフェももちろん楽しいのですが、こうやって本来の

サイエンスカフェの意義が見える大人向けのサイエンスカフェもまた

よいものです。

山崎先生には、是非次は親子向けのサイエンスカフェにもお越し

頂きたいと考えています。

どんなものになるのかこれもまた楽しみです。

 

 

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