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『沖縄で専門家たちとすご~い科学講座を開催してきました』

「夏休みこども自由研究in沖縄」で今年も科学講座をしてきました 

 
2018年10月7日(土) 

正確にはNPO法人センス・オブ・ワンダーの講座ではなく、東京大学

工学系ゼミのメンバーで行ったものですが、多くのメンバー重なっているので

この夏のすご~い講座の様子をご紹介しておきます。

 

8月4日、5日に、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催された

「夏休みこども自由研究」で科学講座をしてきました。

琉球朝日放送さん主催で今年が11年目のイベントです。

(夏休みこども自由研究 http://www.qab.co.jp/jiukenq/)
 
私たちが参加するのは今年で5回目となります。
 
この夏のタイトルは
 
「形の強さを調べて利用しよう~楽しい実験と工作教室~」
 
でした。
 
今回、参加そた子どもたちが目指したのは、様々な断面を持つ形(三角柱、

 

四角柱、六角柱、八角柱)の強さを調べて、2kgのものを乗せられる棚を
 
作ることでした。
 
高さは14cmです。
 
 
<勉強机の上に乗せられる自分専用の棚>
 
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<沖縄コンベンションセンター>

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全体では2日間で2万人が来場する大きなイベントです。

 

<講座は大入り満員>

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多くの保護者の方にもご見学頂きました。

 

<東京大学工学系ゼミのOB、OGを中心とした研究者、技術者たち>

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講師は全て専門家(研究者、科学者など)10名、それに対して

定員は16名というとても手厚い講座です。

 

まず、講座の最初に「断面」という概念を確認しました。

「今皆さんが座っている椅子の断面はどんな形ですか?」

という身近な問いから始まります。

そして「断面」というキーワードから、自分が製作する棚の脚の断面について

考えていきます。

今回比較するのは、断面が三角形、四角形、六角形、八角形の脚。

「どの断面の形のものが、重たいものを支えられそうですか?」

と聞いて、子どもたちに予測してもらいます。

子どもたちの答えは様々です。

「では、みんなで実験して確かめてみましょう!」

と、全員参加の大実験が始まりました。

 

まず、自分が選んだ断面の形を工作用紙で作ります。

 

<実験用の脚を作る様子>

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実験用の脚ができたらみんなで大実験です!

作った脚の上に図鑑を一冊ずつ乗せていきます。

一冊ずつ慎重に乗せながら、何グラムまで耐えられるか調べていくの

です。

自分の作った脚も、他の子が作った脚も、何キログラムまで耐えられるのか

気になって仕方がないようで、気が付いたら子どもたちはこんなことに↓

 

<脚の様子をのぞき込む子どもたち>

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実は、理論上は断面の形の角が多い方が耐えられる重さは大きくなるの

ですが、子どもたちが作った脚ときたら・・・思うような結果がでないことも

しばしば。

ですが、そこはさすがにゼミOB、OGの専門家たち。

つぶれた脚をみんなで観察して、原因を一緒に考えていきます。

 

<きれいにつぶれた実験用の脚>

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構造上の強さをきちんと全うして?(発揮して)つぶれた脚は蛇腹のように

なります。

これが”美しい”つぶれかた、つまり予想通りのつぶれ方です。

つぶれかたに「美しい」ものがあるなんて、子どもたちには驚きだったようでした。

そして大実験が終わるころには、子どもたちすっかり「つぶれ方」の評論家に

なっていたのでした。

 

実験が終わったらデータをグラフで表して考えます。

なんとなく、断面の形の角が多い方が耐えられる重さは大きくなる傾向

見られました。

その傾向からはみだしてしまったものは、貼り合わせ方などの作り方に

問題があったようです。

これもまた大事なデータで、このはみだしたデータが大発見につながる

ことだってあるのです。

 

<実験結果のグラフ>

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例えば、断面が正方形の四角柱の脚の場合、実験では最低でも2700g、

 

2.7kgくらいは支えられることが分かりました。

脚は4本あるので「2.7×4=10.8」となり10.8kgくらい支えられそうです。

ところが、このままこの値を使うことができないというのが工学部卒業の

講師たちの意見です。

実際に工場などでものを作る時にも、部品には性能のばらつきが出て

きます。

棚の脚も、ちょっと貼り合わせ方が悪いと構造上の理論的な強さは発揮

できない可能性があるのです。

そこで出てくるのが安全率です。

今回は安全率を10として棚の耐荷重を考えることにしました。

安全率を10とすると、実際の耐荷重は実験で耐えられた10.8kgの10分の1の

1.08kgになります。

あれれ、これでは目標の2kgにはなりませんね。

となると、脚の数を増やすか、脚の形を変更するかということになります。

断面が正方形の脚を選んだ子どもたちは、脚の数を増やして棚を作ることに

しました。

 

このように、実際にものを作って実験をしていくと、予想通りに(理論通りに)

ならないことも出てきます。

専門家が関わらない講座では、理論を優先して実験データを修正させられる

こともあると聞きます。

これでは科学の目を持つ子どもたちを育てることはできないでしょう。

そうではなく、子どもたちと一緒に予想通りにならない理由を考え、それを

大発見のチャンスだと子どもたちに伝えられる、私たちの科学講座は

やっぱりすごいのではないかと思うのです。

 

来年も沖縄で講座を担当する予定です。
 
是非みなさんも沖縄に遊びに来てくださいね!
 

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